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ちょっと役に立つ(かもしれない) 『スピーカーセッティングと位相のお話し』 |
スピーカーでは全帯域において位相が揃うことが理想ですが、様々な原因で位相がズレて逆相部では打ち消しあうので聴取位置では「入力波形と異なった波形」となります。 たとえばスピーカー単体では以下のような原因でも『スピーカーの位相ズレ』がおきます。 ・振動板が分割振動して位相がズレる。 →分割振動しないことが理想とされるが真偽は不明(笑) ・振動板の形状(コーン型、ドーム型等)の中心と外周の位相ズレ。 →極小面積の平面振動板が理想らしい。 ・マルチウェイでは各ユニット取り付け位置の差分の位相がズレる。 →ボイスコイル位置を合わせてリニアフェイズ化。 聴感で分からなければ問題無しと思いますが、ズレは少ないほうが良いんでしょうね。 |
■リスニングポイントの距離、高さと位相の関係 |
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リスニングポイントの前後(距離)、上下(高さ)によって「位相のズレる(逆相になる)周波数」が変わります。 距離2mでの高音ユニットと中音ユニットの距離差は22mmで、 同相になる周波数は、 λ(波長)=0.022m 340(音速:m/s)÷0.022(波長:m)≒15455(周波数:Hz) 15455Hzで同相になります。 逆相になる周波数は、 1/2λ=0.022 λ=0.044 340÷0.044≒7727 7727Hzで逆相になります。 中音ユニットと低音ユニットの距離差は81mmなので、4198Hzで同相、2099Hzで逆相になります。 基本的に、聴取位置が遠いほど位相ズレのポイントは高域側にシフトします。 逆相になる周波数が『可聴帯域外(一般的に20kHz以上)』なら問題は少ないと思われますが、20kHzが逆相になる距離差は8.5ミリになるので『音源の距離差を8.5mm以下に抑える』ことが出来れば言うこと無しです。 通常はツイーターを耳の高さに合わせることが多いので、大型のマルチウェイで位相ズレを押さえることは難しそうです。 メーカー製品には位相ズレを押さえるためにリニアフェイズ化したり、ウーファーを上側に配置したスピーカーもあります。 |
■スピーカー平行置きでの位相ズレ |
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30cmの振動板だと内外の距離差が150mmになります。 計算値では、2267Hzで同相、1133Hzで逆相になります。 同相になる波長はλ=0.15m 340÷0.15=2267Hz 逆相になる波長は1/2λ=0.15m λ=0.3m 340÷0.3=1133Hz と計算できます。 単純に考えると平行置きでは「小口径」が有利です。 口径の大きいユニットほど内外の距離差が大きくなるので、位相のズレも大きくなります。 特に口径の大きいフルレンジタイプ、同軸マルチウェイタイプは位相特性で不利になります。 マルチウェイでは、大口径でもクロスオーバー周波数を低くとることで位相ズレの影響を回避できます。基本的に、口径が大きいほどクロスを低くするのが吉。 |
■スピーカーリスナー向きでの位相ズレ |
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スピーカーをリスナーに向けるのは位相ズレを押さえるのに有効です。 平面振動板で6mm、コーン型でも34mmの距離差。 逆相になる周波数が18.9kHz、5kHzと高いので聴感では分からないかもしれません。 やはり大口径よりは小口径有利ですが、リスナー向きなら位相ズレは『大口径でも気にならない』と思われます。 |
■リスニングポイントのズレと位相の関係 |
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世の中には凄い方がいて『スピーカーを1mm刻みで動かしてセッティングする』らしいです。 1mm動かして逆相になる周波数は17万Hzですが、17万Hzの位相ズレが聴き分けられるのは超人ですね。 ちなみに測定器では全く違いは分かりません。 リスニングポイントがどのくらい動くと逆相になるのかを考えると、、、 68mm動くと5kHzで逆相、170mm動くと1kHzが逆相になります。 可聴帯域上限の20kHzは8.5mm動くと逆相になるので、音楽鑑賞中は動かないほうが良いかもしれません(笑) ただ位相がズレるといっても全帯域で逆相になるわけじゃなく一部の周波数だけなので、細かいことは気にしないほうが良いかもしれません。 大事なのは、 『完璧に位相を揃えても、頭を前後左右上下に動かすだけで位相はズレてしまう』 という事実です。 結論としては、 『初めに空間ありきの“スピーカーの位相問題”は全く気にする必要は無い』 ですね(笑) |
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【位相関連の参考資料】 クチから屁が出る『デュアルホーン屁理屈理論』 |
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